夢のマイホーム vol.1
- 天国 克将
- 5 日前
- 読了時間: 2分
4年半前、愛知から山梨県北杜市へ移り住んだ我々。こちら八ヶ岳周辺には沢山の空き家があるんだが、信用貸しがベースであり、昨日今日入った得体の知れない人間に易々と家を貸してくれる人はそんなに居ない。住みながら次のアクションをと考え、虱潰しに不動産屋を当たり、やっと見つけた大泉町の借家は、有名なひまわり市場から徒歩圏内で、裏山もついた大きな屋敷だった。移住したのは11月の終わり。高地の冬を経験した事のない我々にとって耐え難い寒さで、友達も知人もいなかった孤独感もあり、あの身を切るような寒さは今でも忘れられない。
最低気温がマイナス10℃を下回るこの土地。偉いもんで年々、冬の対策が身についてくる。愛知にいた頃はズボンの下にスパッツなんて考えた事もなかったが、こちらでは必需品。肌着はパンツインし、スパッツの裾は靴下へイン。気密性さえ高めれば、へっちゃらだと分かってきた。八ヶ岳の冬はとにかくよく晴れる。真っ青な空に真っ白な山々。澄んだ空気と満天の星空。厳しさの裏側にある自然の美しさ。冬が終わるのが寂しい。
話が逸れた。大泉町の借家で過ごして1年半が過ぎる頃、アンテナ張りまくってた事もあり、空き家や売り物件の情報が入るようになってきた。そして3年前に隣町の長野県諏訪郡富士見町に念願の家を買った。富士見町が運営する空家バンク(うつりすむステーション)からの情報を元に、大屋さんに直談判し購入に至る。子供達を通わせた幼稚園が富士見町にあったこと、北杜に比べても自然がより豊かであること、地域のコミュニティーの成熟度が高いことが我々が富士見町を選択した理由。購入した夢のマイホーム(中古)はどデカくて、増改築を繰り返したヘンテコだったが、家の中央にある大きな土間と2階からのパノラマビュー(北に八ヶ岳、南東に富士山、南に南アルプス、西に北アルプス)に惚れた。そのまま住めなくもなかったが、至る所に問題があったので、直すべき所はDIYで直して行こうと夫婦で決めた。そしてこっから我々は長い長い旅へ出る事になるのだった。


