top of page
24-11-28_0I9A3023.jpg
amakuni3.png

記憶に残る旅

  • 執筆者の写真: 天国 克将
    天国 克将
  • 6月27日
  • 読了時間: 2分

八ヶ岳での滞在をより良いものにして欲しいとの想いから、時間を見つけてはこちらの宿やペンションを訪ねて来た。価格帯や体験できる価値の幅が数多ある中で、僕の勧めたい宿やレストランをこれから連載していこうと思う。

古い集落が残る北杜市高根町長澤。古民家が軒を連ねる中に、180年前に建てられた問屋場(その昔、陸送の集積所や宿場として使われた)を改装したレストラン、Terroir愛と胃袋はある。レストランと宿泊施設を兼ねたオーベルジュというスタイルをとっており、宿 (旅と裸足)は、レストランの斜向かいにある築150年の寺子屋を改装したもの。オーナーご夫婦は暮らしと仕事のバランスを取るため、ビストロとして営業していた三軒茶屋のお店を北杜市に移転された。僕らも含め、より丁寧な暮らしを求めて八ヶ岳へ移る人々は多いが、お二人も同じであると知れて嬉しかった。

100坪ある古民家の20坪ほどを改装した店内は、優しく自然光が照らす落ち着いた空間だ。お二人は食材から店内を彩るインテリアまで、地元山梨の作り手を選ぶことにこだわっている。旅の贅沢、記念日や祝いの席に似合う。

食を通して、その土地の持つ文化、歴史、風土や魅力を理解し楽しむガストロノミーという概念を愛と胃袋は示している。

なんとも立派な宿の入り口。暖簾をくぐるとどこか懐かしさを覚える建物が現れる。

最大10人での利用が可能で、トトロに出てくるような五右衛門風呂(利用可)がある。淡い黒で整えられた客間は、元が寺子屋だった事に因み、墨をテーマに空間を設えている。

八ヶ岳の魅力はなんと言っても自然の美しさだ。空気も水もとてつもなく美味い。野菜や果物、それらを食べて育つ生き物もまた美味い。初めて八ヶ岳の野菜を食べた時、それまで口にしてきた野菜が偽物に思えるような衝撃を受けた。大自然のあるべき姿を留めるこの土地は、隅々まで命が宿っている。愛と胃袋は、この美しい自然をそのまま体感できるレストランだ。


*今回使用した全ての写真は、八ヶ岳で出会った砺波周平さんのもの。僕は彼の写真のファン。雑誌の取材時に周平さんが撮影した写真をお借りした。

bottom of page