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解体終焉 -夢のやつ vol.6-

  • 執筆者の写真: 天国 克将
    天国 克将
  • 5月25日
  • 読了時間: 1分

剥がしに剥がし、捨てに捨て、屋根と床以外のほとんどを丸裸にするまで3度の冬を越えた。小高い丘に立つこの家には、北アルプスから諏訪湖を抜けて、南アルプスと八ヶ岳の間を吹き抜ける猛烈な風が襲う。躯体だけ晒した状態じゃ家が痛むからブルーシートで覆ってはみるものの、1ヶ月も経たないうちに無惨に引き裂かれる。我々の抵抗も虚しく、冬場は横殴りの吹雪に見舞われ、2階の床全面に雪が積もる日も度々あった。遅々として進まない工事、近所じゃお化け屋敷として話題になってた。行き交うご近所さんと会話すれば、「とんでもない買い物をしたね〜。」なんて哀れまれたりする。確かにこれから家を買う人にフルリノベーションをお勧めはしない。しかし我々に全く後悔はない。予算が潤沢なら人に任せたやもしれないが、使えるもんは使う。直せるもんは直したかった。そして何より、この家の持つポテンシャルに心打たれたのだから。


キュッとしたら丸1年くらいだろうか、暮らしを並行しながら続けた解体作業は結局丸3年ほど続いた。そしてようやっと我々は壊す作業を終え、作る作業へ向かうのだった。


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